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医のこころ

" 院長のブログ "

2012年5月8日

☆臨床家としての基盤

 

今回は趣を変えて、過去に体験した 現在のライフ治療院に強く影響した症例を述べてみたいと思います。

 

開業当初(24年前)にMさんという40歳代のご婦人が腰痛ということで来院されました。 (まあ、なにしろ古いことですから記憶を思い出し述べてみますね)

ありきたりの腰痛かなと思い、徒手理学検査を実施後  治療にとりかかりました。

途中、腹部を触診すると、なにかシコリ状の硬い組織を指先に感じたのです。

 

 

一瞬、指が止まりましたが [感覚的に悪いものでは…と思ったからです] 動揺を悟られぬよう何食わぬ顔で触診を続けていると、

Mさんの方から 「先生、わかりますよね。 私は末期の胃がんなんです。

医者からは半年くらいと診断されています」と 告白されました。

 

 

それはとても末期がん患者の苦悩や不安が満ち溢れている言葉とは思えないような、穏やかな言葉だったことを今でも覚えています。

と、同時に、日頃から触診力をたかめるトレーニングをつんでいましたが、この時ばかりは
「予測が、はずれてくれれば…」 と思ってしまいました。

 

 

彼女は、西洋医学的な治療は拒否されていて、大阪の粉ミルク断食(加藤式療法:医師会の告訴により大阪府警から弾圧:腸が造血作用をするという【千島学説】を主体にした理論)を治療の本筋として実践され、大阪の宿舎で寝泊まりして腹部の指圧整体治療を受けることを続けているとも話されていました。

 

 

今回来院された理由は、大阪で寝泊まりするのが時間的にも経済的にも大変なので近隣で自分の身を任せることができる先生を探しに下見にみえたようです。

 

「今後、先生のところに通院したいのですが、引き受けてくれますか?」

Mさんの私への採点は合格点がでたようですが、ビギナー鍼灸師には荷が重すぎて複雑な心境でした。

やはり、専門医の治療を受けることもお勧めしました。

それに開業したての私では末期癌患者さんの治療をやりぬく自信がなくお断りしました。(当時も今も、西洋医学の治療を受けながらの鍼灸治療を補助的にと考えています)

 

しかし、後日 Mさんだけではなく ご主人にも直接来院され嘆願されたため、“治療を続けることで急変しても責任はもてない” として誓約書を書いてもらい治療を開始しました。

 

Mさんが 癌の治療をかたくなに拒否されている理由は、ご両親が癌にかかり 抗がん剤、手術、放射線療法といわれれる代表的な治療の副作用で、大変に苦しんだそうです。

 

 

最終的にはそれらの医学的な処置で心身ともに衰弱して亡くなられたという辛い体験があり、その時に 西洋医学の癌治療は“病人を楽にさせるものではない!”と悟られたようです。

 

 

その後は、Mさんのご紹介で、同じような粉ミルク療法を実践している末期癌患者さんも大勢(20人くらいです)治療に集まり、一時期は癌患者さんばかりの治療院にもなっていました。

 

 

私の目から見て個々の症状や体質に合うと思われるものはお勧めし、びわの葉エキスを作って差し上げたり、癌治療に良いと思われる治療セミナーにはできる限り出席して、患者さんの治療に応用できるよう工夫もしました。

 

 

そらからのMさんの治療は、体調が少し良くなると共によろこび、不調になると励まし…

ある日の治療を述べると…

腹部の指圧をすると 1日粉ミルクを数リットル飲んでいますので、胃が癌で狭くなっているので苦しくなるのしょうね「先生 ちょっと吐いてきます。」と言われ、トイレで吐き終わってから 治療に専念する…というような 壮絶な治療をしていました。

 

 

でも、2年後 残念ながら、最後の2週間は一滴の水も飲めなくなり入院。

その後、10日程でお亡くなりになられました。

 

 

半年の余命宣告が2年間ほど延命され 終末期の痛み等の苦痛もあまり感じられなく旅立たれたことがなによりだと思います。

ご家族からは、入院するまでいつも通りの生活ができたのも 「先生や鍼灸のお陰です。」とお言葉をいただきました。

 

生前のMさんは、私との治療中の話をよくご主人に話されていたようで、「一生懸命に治療してくれるのでありがたい。」とも話されていたようです。

 

人がどれだけ人間らしい 生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか……

 

つまり、どれだけ人間らしい 生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、 クオリティ・オブ・ライフ(quality of life、QOL:生活の質)を維持できるか、多少なりとも当院が関わることで微力ながら力になったのではないかと思います。

 

Mさんにご紹介いただいた他の患者さんもお1人だけを残し全員他界されました。

 

その後、患者さんご家族からも感謝され、20数年たった現在でもMさんご家族や、他の癌患者さんのご家族も不調があると当院に通院されています。

 

☆末期癌患者の壮絶な生き様から学んだもの

 

開業当初からMさんのような癌末期の多数の患者さんの終末まで治療をさせてもらう機会がありました。

 

末期の患者さんの生きたいと強く願うエネルギーは凄いです。

 

体がどんどん癌細胞に侵され衰弱していく状態の中で、後に残す家族のこと、仕事のこと、親のことを憂い、死ねないと奇跡の力で乗り越えたり、孫の顔を見るまでは生きていたいと ご自分のいつ燃え尽きるとも解らない命の代償として 新しい命との出会いに生きる希望をたくしたり …

 

でも、皆さん 力尽きて亡くなりました。

 

患者さん自身が弱り 自力や家族の支えで来院できなくなってからは、 自宅、入院されている病院まで往診に行きました。(医師も当然往診にも訪れましたが、ご家族は「ライフの先生の方がより丁重に対応していただける」 というお言葉をいただき、嬉しかった記憶があります)

 

実にこの仕事(臨床)は奥が深いものです。

 

癌の治療に携わると 自分自身がいかに生きるのか。生きなければならないのか、常に強く問われ続けます。

 

ですから、その教訓により生半可にできる仕事ではないなぁと思わされました。

 

ある往診中、末期癌の患者さんから 「先生今度いつ来てくれるの?先生が来ないとあかんわ~。」(三重ご出身のご婦人・骨盤まで癌に侵された方)と言われたことがありました。

 

その時に頭に浮かんだことは、「もう 私がこの患者の人生、生活の一部になっている。」と感じたことです。(大げさかもしれませんが、当時はそう思いました)

 

常連患者さんからは 「先生は、もう少し手を抜いても良いのでは…」 と言われることもありますが、やはり病んでいる方の気持ちになると 生半可な治療はできません。

 

私の患者さんに向かい合う時には、このような想いが臨床家としての心の拠り所、信念になって日々の臨床の糧となっています。

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